
みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。
福岡大学の「ベンチャー起業論」でメンターを務めることになりました。
実はその裏で、学生主体の授業運営を支える、もう一つの重要なプロジェクトが進行中です。
今回はその「秘密のミッション」についてお話しします。
ということで、今回は「福岡大学ベンチャー起業論の秘密の別ミッション「Slackプロジェクト」とは」です。
では、行ってみましょう!
福岡大学「ベンチャー起業論」との出会い:メンターとしての新たな挑戦
さて、ご縁がありまして、今年度から福岡大学の「ベンチャー起業論」という授業でメンターを務めさせていただくことになりました。
この「ベンチャー起業論」、単なる座学の講義だけではなく、プロジェクト型の実践が組み合わさった通年の授業で、福岡大学の名物授業なんです。
約100名の履修生さんたちが、10のプロジェクトグループに分かれます。そして、この取り組みに手を挙げてくださった企業様と学生グループをマッチング。
そして、それぞれのグループが、担当する企業の新規事業を考案し、企画し、そして実際に実践していく。まさにリアルなビジネス体験ですよね。
さらに、10月と12月にはビジネスコンテストも開催されて、それぞれのビジネスの成果を発表します。
僕たちメンターは、これらのプロジェクトグループをサポートさせていただく役割です。
この5月に学生グループと企業様のマッチングが行われて、その後、僕たちメンターがどのグループを担当させていただくかが決まります。なので、メンターとしての本格的な活動は、まさにこれからスタート! という段階です。
水面下で進むもう一つのミッション:「Slackプロジェクト」の全貌
さて、メンターとしての活動はこれから始まるわけですが、実はそれとは別に、もう一つ、水面下で進んでいるプロジェクトがあるんです。それが、通称「Slackプロジェクト」。
この「ベンチャー起業論」のもう一つの特徴が、授業の運営です。というのも、学生さんたちが自分たちで組織を作って運営しているんですよ。執行部があって、その下に課やプロジェクトチームが存在するという、まるで会社のようなしっかりとした組織体制が敷かれています。
しかし一方で、運営面では課題もありました。それは、運営に関わる様々なやり取り、連絡といった情報コミュニケーションや管理が、主にLINEとメールで行われていたことです。
皆さんも、普段お仕事やプライベートでLINEやメールを使っていて、「あれ、あの情報どこいったっけ?」とか、「複数の話題が混ざって分かりにくい…」なんて経験、ありませんか? まさに、そういった課題が、この授業運営の現場でも起きていたようなんですね。
LINEとメールによるコミュニケーションの課題あるある
試しに、ChatGPT先生にこんな質問を投げかけてみました。
「これまで学生組織の運営連絡をLINEとメールでやり取りしていました。そこで想定される課題と、新しくSlackを導入することによって、それらの課題がどう解決できるかを分かりやすく整理してください。」
情報が埋もれる、見落としてしまう… LINE・メールあるある
まず一つ目の課題として挙げられたのが、「情報の埋没・見落とし」です。
LINEって、基本的に情報が時系列で流れていくだけですよね。だから、大切な連絡事項や決定事項も、新しいメッセージが投稿されると、どんどん下に流れていって埋もれてしまいがちです。
後から「あの件、どうなったんだっけ?」と探そうとしても、延々とスクロールしなければならず、見つけるのが大変。重要な情報を見落としてしまうリスクも高まります。
メールも同様に、ラリーの長いやり取りが続くと、あの話題どこでしていたっけ…?となりがちです。
コミュニケーションが閉じがち? 透明性確保の難しさ
二つ目は、「コミュニケーションの属人化」です。例えば、特定のメンバー間だけでLINEの個人チャットや個別メールでやり取りが進んでしまうと、その内容は他のメンバーには見えません。いわゆる「密室での会話」状態ですね。
これだと、いつの間にか自分たちの知らないところで話が進んでいて、「え、そんなこと決まってたの?」なんてことになりかねません。
組織運営において、情報の透明性が低いのは、あまり健全とは言えませんよね。
情報検索の困難さ
三つ目は、「情報検索の困難さ」です。
LINEもメールも、過去の情報をピンポイントで探し出すのが、とにかく面倒くさい! 「あのときの指示、どのグループだっけ?」「添付ファイル、どこにあったかな?」といった探し物タイムが日常茶飯事になってしまう。
これって、地味にストレスですし、時間の無駄にもなってしまいます。
公私の線引きと誤爆リスク(特にLINE)
四つ目は、特にLINEに顕著な「公私の混同」です。
LINEは、多くの方にとってプライベートな連絡手段として定着していますよね。そのため、学業やプロジェクトの連絡に使うことに抵抗を感じる学生さんもいるかもしれません。
また、プライベートなメッセージを送るつもりが、うっかりプロジェクトのグループに誤って送信してしまう、いわゆる「誤爆」のリスクも常に付きまといます。考えただけでも、ちょっとヒヤッとします。
議論が深まらない、話題がごちゃ混ぜに…
そして五つ目は、「議論がしにくい・話題が混線する」という点です。
一つのLINEグループ内で、複数の異なるテーマについての会話が同時に進行すると、もう何がなんだか分からなくなってしまいがちです。
「この返信は、どの話題に対するものだっけ?」と混乱したり、重要な議論が他の雑談に流されてしまったり…。これでは、建設的な議論を深めるのは難しいですよね。
なぜSlackなのか? コミュニケーション課題解決への道筋
実際に、この「ベンチャー起業論」の学生運営チームでも、こうした課題に直面していたようです。
そこで立ち上がったのが、この「Slackプロジェクト」です。これらのコミュニケーションにおける様々な課題を、ビジネスチャットツールである「Slack」を導入することで解決しよう! という試みなんです。
Slackには、これらの課題を解決するための機能がたくさん備わっています。
- チャンネル: 話題ごとに「チャンネル」と呼ばれる場所を作って会話を整理できます。例えば、「執行部連絡用」「〇〇プロジェクト」「雑談部屋」のように分けることで、情報が混ざるのを防ぎ、必要な情報にアクセスしやすくなります。
- スレッド: 特定のメッセージに対する返信を「スレッド」にまとめることができます。これにより、関連するやり取りが一箇所に集約され、議論の流れが追いやすくなります。LINEのように、複数の話題がタイムライン上で入り乱れることがありません。
- 検索機能: 強力な検索機能で、過去のメッセージやファイルを簡単に見つけ出すことができます。「あのときの指示、どこだっけ?」問題から解放されます!
- オープンなコミュニケーション: 基本的にチャンネルはオープン。誰でも参加・閲覧できるため、コミュニケーションの透明性が高まります。「知らないうちに話が進んでいた」という状況を防ぎやすくなります。
このように、Slackを導入することで、情報の整理・検索性の向上、コミュニケーションの透明化、そして議論の活性化などが期待できるわけです。
まさに、学生主体の組織運営をスムーズに進めるための、強力な武器になってくれるはずです。
未来へつなぐ情報資産:Slackの先に見据えるNotion活用
さらに、このプロジェクトにはもう一つ、重要な目的があります。それは、「情報や知識が次年度や後任に資産として引き継ぎづらい」という課題への対応です。
学生主体の運営は素晴らしいのですが、メンバーは毎年入れ替わります。せっかく蓄積された運営ノウハウや過去の記録、反省点などが、うまく引き継がれずに失われてしまうのは、非常にもったいないですよね。
また、以前も共有されてたのに、同じことを何度もやり取りする…みたいなことも起こり得ます。「Don’t Repeat Yourself!」のDRY原則にしたがって、同じことは何回もしてはいけません。
この課題に対しては、Slack導入の次のステップとして、「Notion」という情報共有ツールの導入を計画しています。
Notionは、ドキュメント作成、タスク管理、データベース構築などを一つのツールで柔軟に行える、非常にパワフルなツールです。
これを使えば、運営マニュアルや過去の議事録、プロジェクトの記録などを体系的に整理し、ナレッジベースとして蓄積していくことができます。これにより、新しく運営に参加するメンバーもスムーズに情報をキャッチアップでき、組織としての継続的な成長を支えることができると考えています。
まずはSlackで日々のコミュニケーション基盤を整え、その上でNotionを使って知識や情報をストックしていく。この二段構えで、持続可能な学生運営体制を築いていくことを目指しています。
学生と共に歩むSlack導入:実践的な学びのプロセス
この「Slackプロジェクト」も「やりたいです!」と挙手いただいた2名の学生さんが主体で進めています。頼もしいですよね!
僕はそのサポート係として、学生さんたちと一緒に、Slackの導入を進めているところです。
現在の段階としては、まずは授業運営の中心である「執行部」のメンバーでSlackの運用を開始しました。
そして先日は、僕と学生メンバーで集まって、現時点での「Slack運用ガイドライン」を作成するというワークショップを行いました。
生成AIとの壁打ち:ガイドライン作成秘話
このガイドライン作成、実はちょっと面白い方法で進めたんですよ。僕のPCで、ChatGPTとGemini(Googleの生成AI)の両方の画面を開いて、それらに壁打ちしながら進めていきました。
「そもそも、僕たちがSlackを導入する目的って何だっけ?」
「その目的を達成するために、ガイドラインにはどんな項目が必要かな?」
「他の大学や企業では、どんなSlackのルールがあるんだろう?」
こんな風に、AIに質問を投げかけたり、アイデアを出してもらったり、壁打ち相手になってもらいながら、議論を深めていきました。
目的意識と構造化:AI活用のポイント
このワークショップを通して、学生さんたちには、単にガイドラインを作るだけでなく、いくつかの大切なことを学んでもらえたのではないかと思っています。
一つは、「そもそもなぜやるのか?」という目的意識を持つことの大切さです。Slackを導入することが目的ではなく、あくまでコミュニケーションを改善し、より良い運営を実現するための手段である、ということを再確認しました。
もう一つは、何か物事を進めるとき、特に文書を作成するときに、「構造的に考える」ことの重要性です。いきなり書き始めるのではなく、まず全体像(骨子)を考え、要素を洗い出し、それらを論理的に組み立てていく。
今回は、その手段として「マークダウン記法」も紹介しました。構造化して考える、伝える力は、生成AIにはとても有効ですし、文書作成においても必須スキルといえます。
そして、生成AIを効果的に活用するコツも掴んでもらえたかなと思います。
「ガイドラインをつくるという目的はわかったが、どう進めればよいかわからない…」というときに、生成AIは頼りになります。AIは僕らが知らないことでも、たくさん知ってますからね。
約1時間という短い時間でしたが、AIとの協働作業を通して、かなり密度の濃い、良い学びが詰まったワークショップになったのではないかと感じています。
学びを深める実践の場:ノンプロ研での体験
さらに、このSlackプロジェクトに参加してくれている学生さんたちには、より実践的な学びを深めてもらうために、僕が主宰している社会人向けの学習コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会(通称:ノンプロ研)」にも特別に参加してもらっています。
ノンプロ研では、まさにSlackとNotionをヘビーに活用して、日々のコミュニケーションや情報共有、イベント運営などを行っています。
学生さんたちには、実際にコミュニティメンバーとして活動に参加してもらう中で、「コミュニティにおけるツール活用って、こういう風にするんだ!」というのを肌で感じ、学んでもらっています。
そして、ちょうど今日(2025年5月1日)から、ノンプロ研で開催している「はじめてのコミュニティ活用講座」という講座も受講してもらうことにしました。
この講座では、Slackをはじめとするコミュニティツールの基本的な使い方から、効果的な活用方法、コミュニティで学ぶという考え方までを体系的に学ぶことができます。
座学だけでなく、実際のコミュニティ運営の現場(Slackプロジェクト)と、学習コミュニティ(ノンプロ研)での実践を通して、ツール活用スキルとコミュニティ運営の知見を、ぐんぐん吸収していってくれることを期待しています!
この経験を活かして:他のコミュニティへの貢献も視野に
今回、福岡大学の学生さんたちと一緒にこのSlackプロジェクトを進める中で、改めて感じていることがあります。
それは、「情報コミュニケーションの課題って、いろんな組織やコミュニティに共通して存在するよな」ということです。
企業、NPO、地域の団体、サークル活動、PTA… いろんな場所で、LINEやメールでのやり取りに限界を感じていたり、情報の共有や引き継ぎに悩んでいたりするケースは、きっと少なくないはずです。
今回のような、実際にコミュニティに入って体験しながらSlackやNotionを活用してコミュニケーションや情報管理の仕組みを整えていくこのモデルは、他の組織やコミュニティにとっても、結構有効なアプローチになるんじゃないかな? と思っています。
もし、「うちの組織も、情報共有をもっとスムーズにしたい!」「チームのコミュニケーションを活性化させたい!」といった課題をお持ちの方がいらっしゃれば、今回の経験を活かして、何かお手伝いできることがあるかもしれません。
もしかしたら、これを機に、ちゃんとした支援プランとしてサービス化してみるのも良いかもしれませんね。ちょっと考えてみます。
というわけで、今回は福岡大学「ベンチャー起業論」のメンター活動の裏で進んでいる、もう一つのミッション「Slackプロジェクト」についてお話しさせていただきました。
メンターとしての活動も、このSlackプロジェクトも、どちらも非常にやりがいのある取り組みです。今後の進捗についても、またお話しできればと思っています。
まとめ: プロジェクトの現在地とこれから
このSlackプロジェクト、まだまだ手探りの部分もありますが、学生さんたちと一緒に、少しずつですが着実に前進しはじめたところです。執行部での運用も始まり、ガイドラインの策定も進みました。
最終的には、このSlackやNotionが、福岡大学「ベンチャー起業論」という素晴らしい学びの場で、学生さん同士のシェアやコラボレーションをさらに活発にし、より良い活動を生み出すための基盤となることを目指して、引き続き頑張っていきます。
以上、「福岡大学ベンチャー起業論の秘密の別ミッション「Slackプロジェクト」とは」についてお伝えしました。
引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!
この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!